お姉ちゃん
私には唯一、本当の姉のように慕っている人がいます。
年に2回ぐらいしか会えないけど、本当に本当に大好きなお姉ちゃん。
でも、その人と5年以上、連絡すら取っていませんでした。
最後にその人に会ったときは、その人が思春期に入ってしまって、食事の時以外なかなか部屋から出てこようとせず、あまり話せなかったんです。
それ以来、受験やら就職やらで会えないことが続いて、気がついたら5年は月日が流れてしまっていました。
ずっと会いたかったけど、連絡先もわからなくなってしまったし、何より、5年も会いに来てくれなくて、いつからかその人のことを怖く感じるようになっていました。
嫌われてるんじゃないかって。
最後に会った時の印象も最悪ですし。
成人式の写真を見たんですけど、元々すっごい美人で可愛くて、可愛すぎて女に妬まれていじめられていたぐらい、本当に顔立ちが整っている人なんですけど、更に美人になってて。
「今こんな感じなんだ」って、なんだかまた遠く感じて。
でも昨日、ついに会えるチャンスが来たんです。
その人の母親から勤務先を聞いて、会いに行くことにしたんです。
その人はお菓子屋さんで働いているので、職場に行って会うのは簡単です。
ドキドキしました。
成長したって思われたいって思って、バッチリメイクしていきました。
いきなり来たらどんな反応するんだろう、迷惑がられるかなって、恐る恐る行ったら、その人が私に気付くなりカウンターから急いで出てきてくれて。
「えー!!どうしたの!?何年ぶり!?」って、笑顔で、手を振って、走って出てきてくれて、ずっと前の、優しくて明るくて、大好きなお姉ちゃんそのまんまでした。
まるで5年の空白なんてなかったかのように、普通に話して、冗談言って叩かれて、笑いあって、って、楽しかったあの日々に一瞬で戻ったんです。
本当に嬉しかった。
会いに行くか、本当は迷ったけど、行ってよかったって心からそう思った。
チーズケーキを買って帰ったんですけど、帰ってから開けてみたら、チョコケーキも入ってて、でも急いでレシートで確認したらチーズケーキしか買ってないことになってて。
ケーキ、本当においしかったよ。お姉ちゃん。
やっと、心の中にあったわだかまりみたいなものが溶けだしていきました。
嬉しかったなぁ。なにもかも。
なんか書いてたら涙出てきた(笑)
また会いに行くからね、変わらずにいてね。